大腸がん(結腸がんと直腸がん)は、以前は欧米に多く日本では少なかった病気ですが、最近は日本でも急速に増えています。
これには、肉などの動物性脂肪の過剰摂取と食物繊維の摂取不足など、食生活の欧米化が大きく影響していると考えられています。
●大腸がんのできやすいところ
大腸がんの70~80%は、直腸とS状結腸に発生しています。
ここは便が長時間とどまりやすく、発がん物質の影響を受けやすいためだと考えられます。
●大腸がんの危険信号
早期の大腸がんでは自覚症状が現れにくく、あったとしても他の病気と共通のものなので、見過ごしがちです。
心配しすぎるのは考えものですが、次のような症状が長引く場合は早めに検査を受けましょう。
・便に血液が混じる ・腹痛がある ・便に血液が付着する ・腹部が張った感じがする ・便秘と下痢を繰り返す ・吐き気、嘔吐がある ・排便後も便が残っているような感じがする ・貧血ぎみである ・腹部にしこりがある
●ポリープと大腸がん
大腸には、イボ状のポリープといわれる隆起がよく見られます。
その大部分は腺腫と呼ばれる良性腫瘍ですが、がん化するものもあるため、腺腫は前がん病変であるとされています。
そのため、大腸がんの治療では、ポリープが発見されると、多くの場合、良性・悪性を区別することなく切除します。
このように、大腸がんの多くはポリープ状の腺腫から発生するといわれていましたが、最近は粘膜が平らに隆起したものや、ほとんど隆起のないのも見つかっています。