最近よく耳にする「先進医療」。でも実際はどのような事なのでしょう。

null 【先進医療とは・・・】
難病などの新しい治療法や手術法は、最初は特定の大学病院などで研究・開発が行われますが、この段階で新技術により治療を受ける場合、公的医療保険の適用は受けられず、治療費や入院費用を含めて、すべて患者の自己負担となります。  
しかし、ある程度、新治療法が実績をつみ、治療法として確立されてきたと厚生労働省が判断し、「先進医療」として承認されると、先進医療にかかる技術料以外は、公的医療保険が適用となります。  
先進医療が受けられるのは、医療技術ごとに定められた基準を満たす医療機関に限られており、平成19年8月1日現在、117種類の医療技術、782件が承認されています。  
先進医療は、一般的な保険診療を受ける中で、患者が希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合、治療内容や費用などについて説明を受け、十分に納得したうえで、同意書に署名し、治療を受けることとなります。

【先進医療に係る費用は・・・】
先進医療を受けた時の費用の取扱いは次のようになっており、一般の保険診療の場合と比べて、「先進医療に係る費用」を多く負担することになります。
1.「先進医療に係る費用」は、医療の種類や病院によって異なり、患者が全額を自己負担するこなります。
2.「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。

つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
先進医療の技術料は「高額療養費制度」の対象外です。
一般の保険診療では、1か月あたりの負担上限があり、これを超えた部分は健康保険制度から給付を受けることができます(高額療養費制度)。
しかし、先進医療の技術料は「高額療養費制度」の対象外であるため、負担上限はなく全額が自己負担となります。  
そういう意味では、治療費の心配なく先進医療を受けるためには、高額の費用に対する備えが必要だといえます。

【領収書は大切に保存!】
先進医療を受けると、先進医療に係る費用、通常の治療と共通する部分についての一部負担金、食事についての標準負担額などを支払いますが、それぞれの金額を記載した領収書が発行されます。
この領収書は、税金の医療費控除を受ける場合に必要となりますので、大切に保管してください。

【先進医療に係る費用について(厚生労働省ホームページから抜粋)】
《例》総医療費が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円のケース
1.先進医療に係る費用20万円は、全額を患者が負担する。
2.通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院料等)は、保険として給付される部分になる。

保険給付分=80万円(10割) 7割にあたる56万円が各健康保険制度から給付 3割にあたる24万円が患者の一部負担金 よって、自己負担は20万円+24万円で44万円となります。
※保険給付に係る一部負担については、高額療養費制度が適用される。