胃がんは、最近減る傾向にありますが、それでも日本人がかかるがんのトップです。
胃がんの原因は、今のところはっきりしていませんが、塩分の過剰摂取や喫煙が大きな要因であるといわれています。
また、肉や魚の焦げた部分に発がん物質が含まれており、胃がんの引き金になることがわかっています。
●胃がんのできやすいところ
胃がんが最もできやすいのは、胃から十二指腸へとつづく幽門付近(幽門前庭部)で約60%です。
逆に、一番少ないのは胃の入口の噴門から上方に湾曲した穹窿部で約10%。あとの30%は胃体部に発生しています。
●胃がんの危険信号
胃がんでは自覚症状が現れにくく、あったとしても胃腸の病気全般に共通するものなので、症状だけで判断することはできません。
しかし、次のような症状があれば、早めに検査を受けましょう。
・みぞおちが痛む ・吐き気、嘔吐 ・胃が張る、重苦しい ・貧血、顔色が悪い ・胸やけ、胃のもたれ、ゲップ ・便秘、下痢 ・下血 ・食欲不振 疲れやすい ・食べ物を飲み込みにくい ・体重減少
●早期胃がんは100%治る
胃壁は胃の内側から、粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜という6つの層から形成されています。
胃がんは粘膜上皮に発生し、しだいに胃壁の深部に進んでいきます。
がんが粘膜下層までにとどまるものを早期がん、それよりも深くなったものを進行がんと呼びます。
早期胃がんは転移が少ないので、ほぼ100%治すことができます。
一方、漿膜下層や漿膜にまで進んだ進行がんでは、5年生存率は50%前後にまで低下し、再発率が高くなります。
その意味で、定期検診による早期発見・早期治療が、胃がんを治す決め手になります。