塩分は私たちのからだに必要なものですが、とりすぎると血圧を高くし、動脈硬化や胃潰瘍、消化器系のがんを引き起こす一因となります。

健康を考えた塩分摂取量は、1日あたり10g未満ですが、日本人の食塩摂取量をみてみると、どの年代も塩分過多の状態です。
日頃の食生活を見直し、減塩を心がけるようにしましょう。 

●高塩分の食事は血圧を上げる
塩分(ナトリウム)には、血圧を押し上げる作用があるといわれています。
そのため、塩分摂取量が多くなるほど高血圧になりやすく、ひいては動脈硬化から脳卒中などを起こすリスクが高まります。
循環器の病気だけではありません。
塩分のとりすぎは細胞壁を傷める可能性があり、結果的に胃潰瘍や消化器系のがんを引き起こす危険もあります。  
高血圧の人がいないといわれる南太平洋の国では、1日の食塩摂取量がなんと3~4g。
この程度の量に抑えられれば高血圧の心配はないということになりそうです。
といっても、これはあくまで理想論。
当面の私たちの目標値は10g未満とされています。
ご飯中心の日本食は、低カロリーで栄養バランスもとりやすいヘルシーな食事として人気がありますが、塩分過多になりがちなのが唯一の欠点。
ご飯党はこの点に気をつけて、上手に減塩の工夫をしてください。  

また、外食や加工食品、インスタント食品は塩分が多いので、できるだけ抑えるようにするのが賢明です。

[気をつけよう、食事のときのこんなクセ]
・ なんにでもしょう油やソースをかけてしまう ・ 必ずみそ汁を飲まないと気がすまない ・ 漬け物を必ず食べる ・ 漬け物にしょう油や化学調味料をかける ・ ラーメンやうどんなどの汁を残さず飲んでしまう ・ タラコ、塩辛など塩蔵食品を欠かさない ・ ご飯食ばかり食べる

 

監修:柳川 洋(埼玉県立大学元学長)