適度なストレスは、私たちの心身の活性化に必要なものですが、過度のストレスはさまざまな病気の一因となります。

ストレス社会といわれる現代は、上手にストレスを発散できず、過剰なストレスを抱え込む人が少なくありません。
心身の健康のためにも、ストレスと上手につきあうことが大切です。

●ストレスは生活習慣病や心身症を引き起こす
私たちは日常的にさまざまなストレスを受けています。
適度なストレスはやる気や集中力などを引き起こしますが、過度のストレスが続くと軽症うつ病や神経症などの「心の病」を引き起こす危険があります。
また、精神的なストレスが原因となって「心身症」を招くことも珍しくありません。
たとえば、非常に緊張したり驚いたとき、心臓がドキドキして、息苦しくなるといった経験はだれにでもあるでしょう。
これは、強いストレスによって自律神経や内分泌のバランスに狂いが生じ、心拍数が増え、血圧が上昇するためです。

この1カ月にストレスを感じることがあった人(多少ある、大いにあるの合計)は、全体の54.6%。つまり、半数以上の人がストレスを感じています。年齢別にみると男性は30歳代、女性は20~40歳代でストレスを感じる割合が高くなっています。
特に20歳代の女性は、「大いにある」と答えた人が約2割に達しています。

●ストレスを上手に解消して心と体を元気に
心臓の拍動だけでなく、呼吸機能、消化吸収機能など基本的な生命活動は自律神経や内分泌によってコントロールされていますが、強いストレスを受け続けるとコントロールが乱れ、結果的に高血圧になったり、血液中のコレステロールが増えて動脈硬化のリスクが高まります。
また、ストレスはインスリンホルモンの分泌を低下させ、糖尿病の発病や症状の悪化を招いたり、免疫力を弱めることによって、がん細胞の増殖を誘発する危険性もあります。
つまり、ストレスは生活習慣病を引き起こす原因の一つにもなっているわけです。
ストレスに負けないようにするためには、上手にストレスを解消することと同時に、睡眠や食事、運動によってストレスに強い心とからだをつくっていくことが大切です。
また、心が疲れたと感じたときは、からだと同じように専門の医師に診てもらうようにしましょう。