肥満とは、からだが消費するエネルギーより食事などで摂取するエネルギーが多すぎるため、使い切れず残ったものが体脂肪として過剰に蓄積された状態のことをいいます。
肥満のタイプの中でも生活習慣病に深い関係があるのは、内臓に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」ですが、これは運動によって治しやすいのが特徴です。
●太りすぎは生活習慣病になりやすい
肥満は、さまざまな病気の温床となります。
たとえば、糖尿病をはじめ、高血圧、高脂血症、動脈硬化、心臓肥大、脂肪肝といった生活習慣病。
さらに腰痛や膝関節障害、睡眠時無呼吸症候群も肥満が大きな要因です。
正常体重の人と比べると、肥満者のほうが糖尿病になる率は約5倍高く、高血圧や胆石症、痛風、不妊症は約2倍高いという研究結果もあります。
●40歳代の男性10人のうち3人が太りすぎ
平成17年の国民健康・栄養調査によれば、男性の肥満者の割合は、20歳代で19.8%、30歳代は26.7%、40歳代は54.1%。
肥満者率のもっとも高い40歳代の男性では10人に3人が太りすぎという結果が出ています。
一方、女性は20歳代が5.6%、30歳代は14.3%、40歳代は19.3%、50歳代になると23.9%と増加しています。
一般には男性は30歳代、女性は50歳代が肥満への曲がり角。特にこの年代は注意が必要です。
食事と運動による体重コントロールをしっかり実践して、肥満を予防しましょう。
●あなたのBMIはどのくらい?
肥満を正確に判定するには、体脂肪率を測ることが必要です。
しかし、それはなかなか大変なことなので、現在では1つの目安としてBMIが使われています。
BMIとは、Body Mass Index(体格指数)の略で、肥満の判定に使われる指標です。
算出方法は、上記のとおりで、日本肥満学会では、BMI22の場合がもっとも健康的な体格であることから、それを基準値として、「やせ」「ふつう(標準)」「肥満」としています。
BMI25以上を「肥満」としていますが、これはBMIが25以上になると高血圧や高中性脂肪血症、BMI27以上で糖尿病になる確率がぐんと高くなるというデータがあるためです。
なお、BMIがふつうの数値でも、やせ、肥満の境界線に近い人は注意が必要です。
「内臓脂肪型肥満」かどうかは、ウエストとヒップの比が目安になります。
ウエスト÷ヒップの値が、男性の場合は1.0以上、女性の場合は0.9以上になると、内臓脂肪型の肥満の可能性があります。